大炎上時代を生き抜くための書き手の心得、あるいは出版業界の権力勾配について #1

我々は「善く生きる」ために生きている。炎上を避けるために生きているわけではない。
伊藤弘了 2026.07.01
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それはそれはよく燃えた。

ーーという同じ書き出しからそれぞれの話が始まる掌編(ショートショート)集がある。

収録されている25編のうち、いわゆる「ネット炎上」を題材にしている作品数は圧倒的に少数派で、「お題」となっているこの書き出しから、それぞれの作家が創意を凝らしておもしろい物語を紡ぎ出していく。

ただ、残念ながら僕自身は物語作家としての資質に著しく欠ける人間であるため、安直に「ネット炎上」の話をさせてもらおうと思う。わざわざニュースレターの第一回で書く話ではないと思われるかもしれないが、実はこれこそがもっとも僕にふさわしいテーマではないかと考えている。もちろん、映画の、というか自分の映画評が炎上に見舞われた話につなげていくので安心してほしい(?)。

「ねるねるねるね」炎上事件

6月26日に文芸評論家の三宅香帆がXに投稿した内容に批判が集まり、いわゆる「炎上」状態に陥った(というか僕の目には「放火」被害に遭ったように映った)。あまりに馬鹿馬鹿しすぎて最初は笑ってしまったが、どうやら批判者が本気で憤っているらしいことがわかって真顔になってしまった。いやいや、ちょっと冷静になってほしい。だって……

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