定時通信 #9|9月27日(日)

ペドロ・アルモドバル誕生日、ポール・ニューマン命日、クリストファー・ノーラン作品の見放題配信開始、そして新学期の授業開始、小川哲『屁理屈と哲学』
伊藤弘了 2026.09.27
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今週の定時通信をお届けする。

今回は画像多めなので、文章を読むのが億劫だという人も、とりあえず一番下までスクロールしてもらえると嬉しい。それだけでもどのような内容かおおよそわかると思う。

画像を選んだりレイアウトに落とし込むために編集を加えたりと、それなりに手をかけている(個人ニュースレターだからこそ融通が利くポイントのひとつだと思っている)。

■ 観測振り返り

2026年9月24日(木)配信

個人的に懸案だった「国立映画アーカイブ」記事をようやく書くことができた。クラウドファンディング終了翌日に出すのがいかにも僕らしい(気づいていない方もいるかもしれないが、最近ニュースレターの概要文に「世間から半歩ズレた」という表現を追加した)。

サムネイルに使用した画像は、僕自身が2022年にじっさいに訪れた際に撮影したものである。

国立映画アーカイブの正面玄関(2022年撮影)

国立映画アーカイブの正面玄関(2022年撮影)

この記事では「第八芸術観測哨」初の試みとして「マルチ配信」を試みている。外部のニュースサイト(MSNニュース)に同じ内容の記事を流してもらった。そこから登録してくれた読者も少なくなかったようで、当該記事とはテイストの異なる「定時通信」を読んで戸惑っているかもしれないが、息長く見守っていただければ幸いである。

最初から外部媒体に寄稿すれば(媒体にもよるが)1〜3万円程度の原稿料が見込めるクオリティだと自負している(自惚れではなくこれまでの寄稿経験からの実測値である)。それでも、目先の原稿料よりニュースレター記事として(つまり直接的な原稿料は0円で)出すほうを選んだ。そして、それで良かったと思っている。

自分が納得できる文章を、納得できる形で、納得できる場所へ送り出す価値は、金銭には代え難い。むしろ金を払ってでも買う価値がある。

さて、記事の最後で匂わせているように、これには続編の構想がある。もともとは一本の記事として考えていたが、長くなりすぎたし、読者への負担を考えてあそこでいったん終えることにした(本音を言えば書き手の僕自身の集中力が切れかけていた)。

■ 観測予定

・そもそも国立映画アーカイブを守るべきなのか?|観測記録 #6

後編記事の仮タイトル。前編の「なぜ国立映画アーカイブを守るべきなのか?」と対になるようにしている。リード文は、前編の「アーカイブ事業は金がかかる」に対して「アーカイブ事業は金にならない」にする予定である。今週中に出したい気持ちはあるが、諸々の理由から、おそらく後ろ倒しになると予想される。

後編記事のサムネイルに使用する予定の画像(2022年撮影)

後編記事のサムネイルに使用する予定の画像(2022年撮影)

・補給物資|2026年9月(9月30日[水]配信予定)

サポートメンバー向け。月額サポートで購入したものを報告する月末恒例の記事。

サポートメンバー用のコンテンツは現状これしかないが、メンバー数も増えてきたことだし、プラスアルファも考え始めている。ひとまず、次回の「補給物資」では、オマケとして、最近、僕があまりに非人間的な事態に晒されたストレスから怒りに任せて送ったトチ狂った内容のメール文面をつけたいと思う。その状況も含めて文字通りご笑覧いただければ幸いである。

・定時通信 #10|10月3日(土)

10月最初の定時通信。ちょうど後期の授業が始まって一週間というタイミングにあたる。

■ 観測対象

映画人誕生日

・ペドロ・アルモドバル(1949年9月25日 - )

スペイン出身の映画監督。大学時代の映画ゼミの仲間がアルモドバルを卒論のテーマにしており、その時期に『オール・アバウト・マイ・マザー』(1999年、カンヌ国際映画祭監督賞、アカデミー外国語映画賞)、『トーク・トゥ・ハー』(2002年、アカデミー脚本賞)、『ボルベール〈帰郷〉』(2006年、ペネロペ・クルス主演、カンヌ国際映画祭脚本賞・女優賞)あたりの代表作は見た記憶がある(この三つは「女性賛歌三部作」と括られたりする)。

その後の監督作品では『私が、生きる肌』(2011年)が個人的に好きである。『アイム・ソー・エキサイテッド!』(2013年)は当時劇場で見た記憶があるが、あまりよく覚えていない。

今年日本で公開され、映画ファン界隈で話題(賛否両論)を集めた『シラート』(オリベル・ラシェ監督、2025年)では、製作に名を連ねている。僕も劇場で見たが、心意気は評価しつつも、作品として好きな部類のものではなかった。

『シラート』ポスター三種盛り

『シラート』ポスター三種盛り

映画人命日

・ポール・ニューマン(1925年1月26日 - 2008年9月26日)

言わずと知れたハリウッドを代表する大名優の一人である。代表作を挙げ始めたらキリがないが、やはり『ハスラー』(ロバート・ロッセン監督、1961年)、『ハスラー2』(マーティン・スコセッシ監督、1986年、アカデミー主演男優賞)は外せないだろう。

ほかにもアメリカン・ニューシネマの代表格『明日に向って撃て!』(ジョージ・ロイ・ヒル監督、1969年)のブッチ・キャシディ役や、ロバート・レッドフォード(1936年8月18日 - 2025年9月16日)と共演した『スティング』(ジョージ・ロイ・ヒル監督、1973年)なども忘れ難い。

個人的にはスティーブ・マックイーン(1930年3月24日 - 1980年11月7日)と共闘する『タワーリング・インフェルノ』(ジョン・ギラーミン監督、1974年)や、主役の弁護士役を務めた『評決』(シドニー・ルメット監督、1982年)も印象に残っている。

映画配信情報(9月28日 Amazon Prime Video見放題配信開始)

・『オッペンハイマー』(クリストファー・ノーラン監督、2023年)

すでに各種サイトで配信中だが、9月28日(月)から「ダークナイト」三部作とともにPrime Video見放題配信が開始される。

新作『オデュッセイア』の日本公開に合わせて、すでに9月1日から『インセプション』(2010年)、『インターステラー』(2014年)、『ダンケルク』(2017年)、『TENET テネット』(2020年)、「ダークナイト」三部作の見放題配信も始まっている。

この中から最初に見るノーラン作品を選ぶなら、個人的には『インセプション』を推したい。次いで『インターステラー』だろうか。

ちなみに、まだ『オデュッセイア』は見ることができていない。

8月にはニュースレターの再録記事で『オッペンハイマー』に触れているので、ぜひそちらもあわせて参照されたい。

■ 拾得物

先日の千葉出張の際に宿泊したホテルのバルコニーからの眺望。スクリーンを思わせる矩形のフレームが気に入った。

眼前に広がっていたのは千葉公園。残念ながら園内を散策する時間は確保できなかったので、またの楽しみにとっておくことにしたい。

千葉出張の報告は次回に譲る。

■ 映画寸評

・『さとこはいつも』(沖田修一監督)

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